果ての旅路 Ⅳ

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海を眺めていた。

 

船旅は退屈だ。

窓から見えるのは空と海、空は眺めていても変わらないし海は時折白い波を立てるだけ。

甲板に上がろうにも荷物を持って行くのは億劫だし、どうせ僕のことだから数分で疲れて帰ってくる。

船出の時に聴いた曲をもう一度聴きながら、僕を待ち受ける道南の風景に思いを馳せた。

 

 

7時丁度に青森・大間港を出港したフェリーは北海道・函館へ向け、津軽海峡を進んでいた。

窓外は穏やかな海。青森と北海道を隔てる海峡…の荒々しいイメージとは程遠く、船体を打つ波はこのフェリーが起こしたものだ。

時折、北海道のものと思しき山々が蜃気楼のように遠く見える。

 

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極めて穏やかな航海に暇を持て余していた。

船室の片隅で海やら船やらの曲を片っ端から聴いたり、函館から乗る特急を何時発の便にしようか思案したりで時間を潰す。

ミニアルバム「渚にて」の4曲目。

何度も聴いたアウトロとジャケットの背景とまるっきり同じ色をした景色に、飛んでもいない海鳥を幻視した。

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函館入港。

はるばる来たぜ函館へ

さかまく波を乗りこえて

つい歌いたくなるこの曲、「函館の女」という題名をこのとき初めて知った。

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函館といっても青函フェリーとはターミナルが違い、大間からの津軽海峡フェリー函館駅のかなり北に位置する。

歩いて40分で第三セクター七重浜駅に辿り着けるようだが、結果は目に見えているのでここは大人しくバスで函館駅へ向かう。

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函館駅。これでこの街には家族、友人、そして一人の三回来たことになる。

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そう、大間の無念を晴らすのだ。

申し訳程度のマグロ要素だがエビも美味かったので良し。

ウニが乗っていないのを頼んだが、今考えるとここで食べてみるべきだった気がする。旅先の食事で云々と何回言えば気が済むのだろう

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特急列車の切符を調達し、市電で暇潰し。

とりあえず十字街までやって来た。

函館市電の英語放送において「市電」の訳は「Street Car」となっていて、"Hakodate Street car"と放送される。この言い回しが僕のお気に入りだという余談。

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海峡通。

この街には風光明媚という言葉が良く似合う。
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十字街からドック前方面へ進むと欧風の建物が目立つ。そういえば函館も坂が多かった。f:id:irecords:20200604033330j:image
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草色とクリームのツートンカラーを纏った人気の812号。三回目にしてようやく遭遇した。
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旧型車はそのほとんどがラッピングされているが、718号のそれはレトロな雰囲気によく似合い好感が持てる。

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時間も押しているので、どつく前から戻ってきた812号の客となり函館駅方面へ戻る。
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なんとなく名前がいい感じの電停で下車。
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函館駅を過ぎたあたりの電停は仮設駅といったテイストで、看板のフォントも味わい深い。

そういえば函館飯の代名詞ともいえるラッキーピエロを完全に失念していたが、この調子だと4回目、5回目も余裕で有り得るからまあいいだろう…

 

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函館駅

三回目にして初めて構内を撮影した。冷気対策かホームとコンコースはドアで区切られている。停車中は森行き普通、いろいろ撮りたい構図はあるのだが例によって時間が無い。

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乗車するのは札幌行き特急北斗。

車両は新型だが塗装のモチーフがよく分からない…雪中を駆けるイメージだろうか。

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数時間で函館に別れを告げる。

今日の最終目的地、それは札幌だ。

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大沼のあたり。

大沼公園の見覚えのある駅舎、友達と食べたジンギスカンが懐かしい。さすがに今回食べることはないだろう。
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噴火湾とは反対側の席に座ったので車窓は延々と荒涼とした風景が続く。

これのスケールを倍にしたらシベリア鉄道にでもなるのだろうか…

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1時間と少し、長万部で下車。

ここまでで5000円、たいへんな贅沢をした。

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発車標だけ見ると本数は多めに見えるが、普通列車は非常に少ない。

15時24分の東室蘭行きまで待つことになる。
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時刻は14時前、とりあえず昼飯を調達するため駅前の国道らしき通りに出るとかなり寂れている。

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横断歩道を渡って東方向。

西へ振り返ると自動車が土煙を上げながら走り去って行く。

かつてかの寝台特急北斗星の停車駅として名を馳せ、現在でも特急北斗の停車駅となっている主要駅の、その駅前。

北海道の地方都市に横たわる寂寞は、予想以上に重たいものだった。

 

通りを東に進むと目当ての弁当屋があった。

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さけめし。名物はかにめしの方らしいが、ここでコンビニ弁当を選ばなかっただけ褒めてもらいたいものだ。
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列車の座席が並べられた休憩室、いわゆるイートインスペースがあるとのことなので使わせてもらう。

そこには僕一人だったが、車での来店は多いようだった。

休憩室では前方のモニターではビデオが流されていた。BGMがあるのかと思ったがそれは前面展望のビデオの音楽らしい。

ビデオは数分ごとに切り替わり、雪原を進む列車、かにめしの製造風景、長万部の観光名所を紹介している。

長万部から列車が発車し、かにめしは盛り付けも拘っていて、長万部の観光名所はどれも車利用前提のようだ。

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駅から南方向、海に向かう道はいかにも北海道らしい名前がついている。

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噴火湾沿いの道路は往来が激しい。

暗い海もそれに呼応するように激しく海岸に打ちつける。

曇天の海に圧迫感と退屈を覚えた僕は駅へ引き返した。

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途中通過した国縫という駅が気になったのでバスで向かうのも考えたが、やはり列車とバスとの時刻の兼ね合いがつかず断念。

今度は函館から長万部を普通、長万部から先を特急で行こうかな…と、かにめしも含めて再訪する理由が出来た。

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普通列車の改札が始まったので構内へ向かう。

車両はもちろん何度目かのキハ40。

キハ40の隣に止まっているのはここ長万部からニセコを経由して北の沿岸、小樽へ向かう函館本線・山線。函館から長万部までの函館本線が海線だ。おそらく。

この山線にもついこの間まで旧式のキハが走っていたのだが、この車両に置き換わっている。

沿線の住民にとって、ボロボロの車両が新型に変わるのはもちろん朗報だ。しかし旅先となると旧型…というか旅情を求めたくなるものだ。

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僕はもちろん、噴火湾沿いに南下する室蘭本線を選んだ。

東室蘭行きは初日最後に乗った能代行き以来の単行。

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特急を先に通し、定刻に発車する。


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道路沿いのなにかの廃墟。 


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長万部から2つ目の小幌はそのロケーションから、秘境駅の代表格としてその駅名は全国に知れ渡る。

停車する普通列車は非常に少ないものの上下の列車を使えば30分ほどの滞在で済むようで、今度は道程に組み込んでも良さそうだ。

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大岸からはふたたび海岸線を走っていく。洞爺で見た対向の特急は札幌付近でのトラブルで遅れているらしい…走行距離が長ければ長いほど遅延のリスクは大きい。

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伊達紋別を過ぎて線路が噴火湾に最接近する。

線路の真横は海。どうにも駅があるようには見えないが列車は減速を始め、自動放送が駅名を告げる。

 

北舟岡。ああ、ここが…
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この駅についてはある程度の情報があり、降りる予定はなかった。

のだが、実際に来てみると降りずにはいられなかった。

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衝動的にホームに降り立つ。

列車が行ってしまう。

もしかして僕はバカなんだろうか。今日は札幌に早めに着いて、夜の市電を撮るつもりだったはずだ。
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ここ北舟岡駅は2面2線の対向式ホーム。すなわち海側のホームは線路より海岸に突き出した形で設置されており、二日前の驫木よりも海が近い。

そうか、五能線はもう二日前なのか…

 

けれどこの海はあの日本海ほど荒々しくはない。

冷えた空と海は鉛色で、波打ち際の岩々は雨と海水に濡れて黒く。冷たさが伝わってくるようだった。

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2つのホームは跨線橋で接続する。

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北海道の駅名標はいわゆるホーロー看板で、今でも縦の駅名標はほぼ全てこの形式となっている。

近頃流行っている国鉄時代の復刻…というわけではないのが素晴らしい。

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函館から札幌に向かう場合長万部から室蘭本線に入る方が早いので、貨物列車や特急列車が頻繁に通過する。

特に貨物列車は多く、道内で鉄道輸送が重要であるのが分かる。

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線路は台地から一段下がった狭い場所を走る。

待合室、ロータリーと駐輪場は台地のほうにあるためホームから待合室へは階段を上っていく形。駐輪場からホームを見下ろせた。

三枚目の写真はロータリーから。住宅も多く、学生の利用が多いのもうなずける。
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貨物列車が行き違う。


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時刻は17時半、小雨がホームを濡らした。

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夕方から夜にかけての一日で一番短い時間。

刻一刻と迫る闇、空の色は深い青から黒に変わっていく。そういえばここに雪はなかった。

 

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18時、ようやく僕の乗ることができる列車がやって来た。

青黒く、心細い背景に瞬くヘッドライト。やけに頼もしく感じる。

比較的賑やかな本線の駅とはいえ圧巻の光景に満足して北舟岡駅を後にした。

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乗り込んだ列車は室蘭行き。

室蘭駅は札幌方面の幹線から数駅突き出した路線の終点で、札幌方面は途中東室蘭で乗り換えになるのだが折角なので室蘭まで向かうことにする。所謂乗り潰し。

そしてスマホの充電が切れたので単語帳に持ち替える。
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室蘭駅。その名を冠する室蘭本線のターミナルだ。

暗闇に浮いて見える光は測量山というらしい。ほかにも地球岬というなんとも抽象的な場所があったが、僕が探していたコンビニは近くになかった。

乗り潰しで重要なのは、いかにしてやることの無い終着駅で折り返しまでの時間を潰すかである。
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折り返し東室蘭行き。

電池が切れたスマホはただの文鎮、景色に集中しようにも外は真っ暗。

旅先の列車で単語帳を捲る…というのはせっかく逃げてきたはずの現実を自ら近づけるようで、なんとも虚しいことだった。

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東室蘭は綺麗な駅だった。

南北の出口をふらつくとコンビニの他にもホテル、学習塾、ラーメン屋などがあって、長万部とは街の規模自体が違った。

長万部はあくまでも結節点としての駅で、よく聞く地名=栄えている、と思うのは都会人の悪癖かもしれない。

北海道といえばのセイコーマートで惣菜やらを買い、コンコースのベンチでそれを放り込んでホームへ下りる。

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19時半の苫小牧行きは元・客車という特異な形式の二両編成。

苫小牧まで約1時間、単語を見る気もなく眠った。

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苫小牧はレトロな看板の主要駅だった。

ここから鵡川への日高線が分岐する。

 

そして…電光掲示板には"Sapporo"の文字。
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苫小牧は札幌都市圏の端で、この駅から札幌方面は電車が走っている。

千歳線普通列車で札幌へラストスパートをかけていく。

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札幌都市圏でも駅名標はしっかり旧式。

北広島でこの旅の最終走者である快速エアポートに乗り換える。
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着くんだなぁ。

着いてしまった、というほうが正しい。

何をするために札幌に来たのかというと、それは飛行機に乗って東京に帰るためである。

着々と近づく、本当の意味での旅の終わり。

この旅が終われば僕は晴れて受験生になる。晴れて。

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北の都の通勤電車はやはり異質で、もはや異国のようにも感じる。
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人が多かった。どうしても東京を思い出してしまう。

改札で武蔵野線某駅で買った18きっぷを見せると、「昔埼玉住んでたんでこの駅よく通りましたよ、遠いところからお疲れ様です」と笑った。

ここ札幌は「新宝島」で有名なサカナクションが拠点としていた場所なので、その曲を流す。

花曇り 夢の街

でも明日が見えなくて

人の波 まるで海

でも明日が見えなくて

この歌詞が好きだった。これはサカナクションのボーカルが東京に出た時の曲で、東京から札幌にやってきた僕とは正反対なのだが何度も繰り返してしまう。

僕の心情を見透かすかのように明日が見えなくて、とイヤホンでボーカルが連呼する。

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地下鉄ですすきのへ向かう。

地下鉄の駅から街路に繰り出すと、路面電車を撮る気など簡単に削がれてしまうような人混み。23時の繁華街、その喧騒は異臭がする。

あの都心で感じる息苦しさに気圧されなざらホテルへ向かった。

ホテルへ向かうところで客引きに声をかけられたり、バニーガールを初めて見たり。なんでこんな場所に宿を取ったんだろう…

 

この札幌こそが旅の終点、どん詰まり。

たった数分の煌びやかな光景。

それが眠っていた四日間の疲れを一気に呼び起こし、カプセルホテルに入る足がふらふら揺れる。

僕はいささか幻滅して、明日のことを考える間もなく眠りに落ちた。

 

 

最終日、起きたのは10時前。

とにかく疲れていた。

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大都市のカプセルホテルは洗練された内装が好ましく、チェックアウトも明快。

ろくに予定も立てないまま、夜の飛行機までの時間を潰すべく地下鉄の駅に向かった。

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札幌の市営地下鉄はゴムタイヤで走る。

ぶっ飛ばすゆりかもめのような感覚が面白かった。


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テレビ塔、時計台、札駅、味噌ラーメン。

さすがの僕でもご当地ラーメンくらいは食える。

 

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当然だがこの旅をする中て僕が求めているもの、見たかった景色は既に過ぎ去っていて、札幌は余韻に過ぎない。

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これまで馬鹿の一つ覚えのように連呼してきた「最果て」という語句も更に北へ、更に東へ延々と伸びる北海道の鉄路の前で使えるわけもない。

札幌は北海道の旅の拠点。

旅の終点は次の旅の起点。

いつも旅が終わる前から次のことを考えていた。

 

僕にとって旅とはまさに現実逃避そのもので、僕が旅をしなくてよくなるときは生活に満足しているか、本当に旅にのめり込んでしまって帰る場所が無くなっているかの二択だと思っている。

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今回は何から逃げたのかというと桜前線とともにやってくる「受験生」の肩書き、将来への不安。後者に関してはこれからも付き合うことになりそうだ。

 

これから飛行機に乗れば一気に東京に戻される。

ゆっくりゆっくり目的地へ向かって、目的地から東京へ飛んで帰るというやり方は、自分で計画したとはいえあまりに非情に思える。

 

今度からは逆にしようかな…

それ以上に、つぎ北海道に来る時は「明日が見えなくて」なんて歌詞が刺さらないことを願う。

 

空港行きの快速で、夕飯を押し込みながら考えたのは概ねそんなことだった。


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さようなら北海道。

 

 

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東京。

桜が咲いていた。

 

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